ストック型社会とは


“ストック型社会”とは、価値あるものをつくって、長く大切に使う社会のこと。地球にやさしい、持続可能な社会のことです。

日本は、戦後の経済成長で、大量生産、大量消費のフロー型社会を形成してきました。平均寿命30年の家に代表されるようにモノの寿命が短く、世代ごとに全てを更新しなければならないフロー型社会です。現在の日本社会が直面している重要課題の多くは、このフロー型社会システムに根源があるようです。例えば日本の賃金は、世界トップの位置にありフランスの2倍です。一方で生活コストは、フランスは日本の1/2です。経済学で言う購買力平価は同じでも、両者の間には長寿命型のストック(社会資本・個人資産)を保有しているかどうかの違いがあります。家屋だけでなく多くの公共資産やその他の個人資産の寿命<耐用年数>を何世代も使えるフランスや他の先進国に比べ、日本はそれらの寿命が極端に短く毎世代更新しなければなりません。そのことが経済的にも資源的・地球環境的にも世代あたりの負担を大きくしています。住宅においては、ヨーロッパでは、前世代からの住宅ストックを引き継ぐため、その分住宅にかかるコストを抑えることができます。ヨーロッパ人が日本人より少ない収入で、バカンスや文化へ投資するゆとりや豊かさを享受しているのは、住宅を循環的に使うストック型社会だからです。

日本は今、少子高齢化の時期を迎え、本格的なストック型社会への変換期に来ています。日常生活においては、クルマも服も家具も雑貨も、ユーズド、リサイクル・リユースといった循環型の消費スタイルが定着しつつあります。日本の住宅の7.5戸に1戸は“空き家です。住宅もこれからは自分なりの価値観で「良い」と思える家を探して、手を入れながら大切に使い、次世代へ引き継いでいく必要があります。